第4回:中国の求人情報を見る

中国の求人情報をインターネットで検索すると
最近では多種多様な求人が簡単に見付かるようになりました。
(中国求人が検索出来るサイトは第3回でいくつか紹介しています)

当然ですが求人情報の項目はほぼ全世界共通で、
勤務地、業務内容、応募条件、待遇などが記載されています。
この中で、特に日本勤務の求人情報と違いがあるのが待遇欄。

ここで中国の求人情報の待遇例を見てみましょう。

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  • 給与:RMB17K〜 
  • 賞与:ダブルペイ
  • 保険:付与
  • 住宅手当:支給
  • 帰国航空券:支給
  • ビザ:取得サポートあり
                                                                                  • -

どうでしょう。
中国の求人情報を見始めたばかりの人には、「???」となる単語もありますよね。
(ガイドなので、敢えて若干分かり難い言葉を盛り込んでますが)

では、上から順に説明していきましょう。

まず給与。「RMB17K〜」というのは「17000元〜」という意味です。
(「RMB」は中国元、「K」は1000を意味する単位)
通貨単位の記載がない場合、概ね中国元ですが、
たまに香港ドル(HKD)の場合もあります。(ほとんどの場合記載されてます)

給与について補足すると、税込み(税引き前)か
手取り(税引き後)かを確認しましょう、ということでしょうか。
中国でも所得税が発生し、税率は5〜45%の累進課税。
日本人の給与額であれば概ね15〜30%あたりになる、、と思います。
求人情報により給与表示が手取り額、税込額とがあります。
(というか、一般的には表示されている給与額は税込み(税引き前)です。
ただ中国では、会社側が所得税を負担してくれるところもあるので
その場合、表示給与は手取り額となります)
給与天引き後、「えー、こんなに引かれるの?!」なんてことにならないように、
分からない場合は、応募時または面接の際に確認しましょう。

これは便利♪ NAC国際会計グループ
「給与額を入れるだけ」中国個人所得税一発算出サービス

また面接の際、希望待遇の質問があることが多いです。
税額が把握できないので希望給与がはっきりしない、という方は
希望する手取り給与額を決めておけばいいでしょう。

それからもう1点、給与額は社内規定があるところと、
面談の上決定となる会社に分かれます。
給与規定は設けず、本人の希望、スキル、年齢、そのクラスの給与相場、
他のスタッフの給与などを基に、決定されるところも多いです。
この「面談にて決定」の場合いくらになるのか見当が付かず、
応募に二の足を踏んでしまうことがあると思います。
同じような職種の求人案件をいくつか見ると、範囲は広いですが
大体どれぐらいの給与レンジになるか相場が見えてきます。
またその求人情報に「仲介」と書いてあれば、直接企業に応募ではなく
まずはうちのような転職エージェントとやり取りをするので、
担当者に相談してみると良いでしょう。


ここで少し中国の生活費についてのお話です。
求人情報の給与額を見て、「・・・これって生活出来る範囲?」と
疑問に思う方もいるかもしれません。
毎月の支出は、住宅費(会社支給のところもあり)、
食費(主に工場では会社支給のところあり)、光熱費、
交通費、交際費、その他日用品、洋服や趣味などに使う費用です。
その額は個人により大きく異なり、いくらあれば足りる、という数字は非常に出しにくいのですが、
中国の物価は大体平均で日本の1/3〜1/4程度。
例えばコーラ500mlペットボトルが中国約40円、日本約150円です。
生活必需品、公共交通機関などは更に価格の開きが大きく日本の1/6程度
(地下鉄運賃:深セン26円〜、東京160円〜)、
反対に贅沢品になるにつれ、その開きは縮まっていきます
(ヒューレットパッカードインクジェットプリンタ:深セン16800円、東京18800円)。
洋服、雑貨など一定のレベルの品になれば日本とあまり変わりありません。
中国に来て分かりましたが日本ほど上質の製品を安価で提供している国はないと思います。
なので、日本とそこそこ同じレベルの生活を維持するとなると
財布の紐を緩めざるを得ません。
食事は自炊、足はバスや地下鉄など公共交通機関利用の節約派であれば
目安として生活費は日本の1/2程度には抑えられると思います。

少々古いですが物価一覧表が、ハローチャイナ人材の中国就職Q&Aにも
掲載されているので参考にしてください。


給与に関する説明が終わったところで今日は終わりです。
来週も待遇欄の用語説明を続けます。