第5回:中国の求人情報を見る(2)

今回は中国の求人情報待遇欄説明の続きです。

とその前に、、求人情報を見ているとたまに「経理」という求人案件があります。
これがちょっと紛らわしいのですが、中国語の「経理」は財務、会計、といった
お金に関わる仕事という意味ではなく、
中国語で「部長、マネージャー」という役職を表します。(会計の意味は一切ありません)
「人事経理」だったら「人事部長」、「会計経理」だったら「会計部長」です。

私自身が中国の就職活動をし始めた頃、やたらと「経理」という求人が目に付きました。
当時、中国情報さっぱりの私は、何の疑いもなく財務会計関連の仕事としか捉えず、
「中国は随分会計の仕事が多いんだなー」と本気で驚いてました・・・。
まだ見ぬ中国の職場風景、中国ではお金の勘定が非常に重視されていて
社内では電卓をたたく会計職員がずらーっと並んでいる、、、、と
勝手な想像が広がったものです。
「営業経理」という求人を見て、「営業と会計、両方やるんですか?!
すごい職務の広さだなー。私は両方共できないなー(・・・)」と思ったり、
中には「総経理」なんていうのもあり(これが中国語では管理のトップ、社長を意味します)、
会計の全てを見る仕事(?)か、すごいな、なんて思い違いしていたものです。
少しは察したらいいんですが全然気が付きませんでした。。
皆さんも勘違いしないよう気を付けましょう(^▽^)


さて、本題、待遇の説明に入ります。

前回の説明で採用形態についての説明が漏れていました。
日本での採用形態というと、「正社員」「契約社員」「派遣社員」
「パート」「アルバイト」などに大きく分かれていると思いますが、
中国ではこういった分類はありません。
まず、就業の際は、自国民、外国人の区別なく、
有期(1〜3年が多い)の就業契約を結ぶことが
法律で定められているので、皆契約の元雇用されている状態です。
そうなると、日本で言うところの契約社員のようなんですが、
前提として何か特別な事情がなければ契約は更新されていくこと、
契約を3回更新したら、終身雇用契約を結ぶことなどが法定化されている為、
日本の契約社員とは全く異なった雇用形態になります。
(稀に人材の方から、雇用契約制だから契約社員ですよね、
正社員の案件はないですか、と聞かれるので説明しておきました)

この就業形態の違いによる採用形態とは別に、
海外就職では採用元に因る採用形態というものがあり
(つまり自分はどこの会社に所属しているか、の違いです)、
日本法人で採用→海外現地法人へ出向となる「日本採用」と
海外現地法人で直接雇用となる「現地採用」の2種類があります。

日本採用の場合の待遇は、出向手当など付与されますが
基本的には日本の一般的な求人とほぼ同じなので説明は割愛し、
ここでは現地採用のケースの待遇について案内していきます。

中国の求人情報一例を再度見てみましょう。

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  • 給与:RMB17K〜 
  • 賞与:ダブルペイ
  • 保険:付与
  • 住宅手当:支給
  • 帰国航空券:支給
  • ビザ:取得サポートあり
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給与は前回説明したので、今日は賞与から。
賞与のダブルペイというのは、年末1回給与1ヵ月分を追加して払いますよ、という
賞与システムのことです。(この一月だけは2カ月分の収入になるのでダブルペイ)
日本語にすると賞与1回1カ月分支給、ということですね。
多くの日系企業では中国のこの賞与システムを採用していますが、
中にはダブルペイ+業績給、実績給、評価給、などを
追加支給するところもあります。

次は保険。
ここでいう保険は、日本の厚生年金保険、社会健康保険という意味ではなく、
中国現地で使える医療保険のことです。
海外旅行に行く時、個人で加入する海外旅行保険というのがありますね。
それと内容はほぼ同じで、現地での病気、怪我が、提携病院で
キャッシュレスで診てもらえます。(既往症、歯の治療は不可です)
この保険は会社側で全て加入してくれるというわけではありません。
保険付与がない場合は、現地の病院を保険なしで利用するか、
出発前に日本で長期の海外旅行(駐在)保険に加入します。
海外旅行(駐在)保険のパッケージは年間10万〜15万円ぐらいです。
自分で加入する方は、海外旅行保険の比較サイトなど長期の海外現地保険の
サイトで比較検討してみましょう。

次は住宅手当。
住宅手当も会社により支給ありなしと分かれます。
一般的には工場勤務の方が住宅/寮、あるいは住宅手当がほぼ100%の割合で付与され、
街中のオフィス勤務でも付与される割合が高いです。
付与の形も様々で、会社が借り上げた住宅物件にそのまま住むケース
(たいてい家具家電つきのきれいな物件です)、
自分で物件を探し会社から毎月住宅手当の支給を受けるケース
(手当の額は数千元。家賃のほぼ全額のところもあれば50%ぐらいの場合もあります。
また保証金などの賃貸契約初期費用が自己負担になることが多いです)、
あとは会社の敷地内に宿舎があり、中国到着後すぐに住めるケース、
などに分かれます。
詳細は応募時、あるいは面接時に確認をしましょう。

住宅を自分で探す際は、中国の賃貸住宅サイト(下記)なども参考になりますよ。
mysupa.com  
sina新浪 

長くなってきたので、続きはまた来週にします。