深センの特区と特区外

深センは経済特区である特区内と
それ以外の特区外に分かれています。

ただ、特区に指定されているかされていないかの違いだと思うんですが、
その境界線は意外ときちんと管理されています。
特区内と特区外の境にある主要な道路には、
入国審査場のような検問所があり、
基本的には身分証を提示し往来の許可をもらうようになっています。


特区内外の境にある検問所。
最近では意外と形骸化されてきており、
車、バスに乗っていれば、停車せずそのまま検問所の横を通過できますが
徒歩で来てしまった場合は、ここをくぐらないといけません。



検問所の中。入国審査場と同じですね。
中国では全国民にIDカードが付与されているので
必ずIDカードを提示します。
外国人はパスポート。
ただもう検問所のスタッフもやる気がないらしく
パスポートをちらっと見ると、開きもせず「行っていいよ」

たまにですが、検問所の横でバスが停車させられ
突然警察が乗り込んできて、IDチェックをすることがあります。
運悪くIDカードを持っていなかった中国人はそこでバスを降ろされ
特区内には入れず、という光景を見ることがあります。

私も一度パスポートをうっかり持ってくるのを忘れ、
警察官に「身分証を見せなさい」と言われたものの、
どうしようもなく、かと言って、パスポートを取りに行っている時間もない。。。
しょうがないので「パスポート忘れちゃった」と正直に言ったら
「じゃあいいよ」と許してくれました。
元々この検問所は犯罪者を捕捉することが目的なのか
外国人はフリーパスといったところなんでしょう。


ちなみに、特区内と特区外ではタクシーも異なり、
特区外のタクシーは特区内に入ることができません。


赤いタクシー、こちらは特区内のタクシー。
特区内から特区外に乗客を乗せて移動するのは可。
帰りに特区外で特区内に行きたい乗客を乗せるのも可。
ただ乗客がいない状態で、特区内から特区外への移動は不可。
また特区外で乗せるお客さんは特区内に向かう人のみ。
つまり特区外だけで完結する営業は禁止です。


緑のタクシー。特区外専門です。
とにかく緑のタクシーは、どんな状況でも
特区内には入れません。
特区外から特区内に移動したい乗客は、
まず緑のタクシーに乗り、
検問所近くに客待ちで停車している赤いタクシーに
乗り換えなければいけません。(本当に面倒)

特区内のタクシーは初乗り10元+ガソリン税2元。
特区外の方は、初乗り6元+ガソリン税1元。
料金設定も大分違います。


日本から来たばかりの人は私も含め皆一様に、
このタクシーのシステムに「なに、それー」と理解不能状態に陥ります。

私が中国に来たばかりの頃ですが
(まだこのタクシーのシステムを知らなかった頃ですね)
特区外にあるお店に行き、帰り際タクシーに乗る際、
お店の人に「赤いタクシー?それとも緑のタクシー?」と聞かれ、
どっちでもいいけどなー、でも私赤色が好きだから、と
「赤の方がいいです」と答えてました。。
お店の人も、私の反応を見て「大丈夫かいな」と思ったようで
「どこに帰るの?」と確認してくれちゃんと帰れましたが。



2〜3年後、深センの経済特区を深セン全域に拡大するというニュースを
昨年見ました。
数年後には、緑のタクシーも自由にどこでも行けるようになっているんでしょうか。