和諧号

深センの隣町、東莞にある樟木頭という街に行った時のこと、
帰りはどんなルートで帰るのが良いかお客さんに聞いたところ、
「そうですねー、バスも良いし白タクもあるし、
一番早いのは電車ですよ」とのこと。

電車・・・。
私は深センで、1回しか電車に乗ったことがない。
その時は、ダイヤが乱れ運休も多く目的地への到着が相当ずれ込み、
その後、また別の機会に電車に乗ろうとしたところ
切符売り場に長蛇の列で一向に切符が買えないので諦め、
とにかく電車にはあまり良い印象がなく、敬遠していたのでした。

でも、そのお客さんの情報によると、
電車は時間も正確で最も早く、
なんでも深センまで15分ぐらいで到着するとのこと。
15分?!
バスで1〜1.5時間は掛かるのに、15分て。。
ここはそんなに深センに近かったのかと驚きました。

控え目で手堅いお人柄のお客さんが、電車に対して一切ネガティブな表現をせず、
とにかく、「意外といいんですよ」と言われるので、
うーん、これは1回乗ってみる価値があるかも、と帰路は電車に決定。

お客さんに教えてもらった通り、会社の前を通る路線バスに乗り
15分程で駅近くに到着。
道行く人に駅の場所を聞きながら、
とぼとぼ歩いていくと、目の前に見えました、樟木頭駅が。


こんなに大きく駅名が。分りやすいですよね。



駅の構内に入ると、すぐ切符売り場の窓口があります。
(右手に券売機もありましたが、故障中)
窓口で「深センまで」と言うと、「40元ね」と切符を切ってくれました。
待つことなくすぐ買え、とてもスムーズでした。



切符。
この、紙で出来たぺらぺらな切符、実はICが入っているそうで、
自動改札機に当てるとちゃんとデータを読み取るのです。
まあよく考えてみたら日本も紙製の切符なんですが
厚みが違うので不思議な感じ。



自動改札機。

改札を通ると、待合ロビー。


向かって左手の奥が広州方面、
右手手前が深セン行きとなっており、
非常に分りやすい作りです。


深セン行きホームへの下り口。
電車の到着時間が来るまでは、柵が閉まっており入れません。



発車時刻掲示板も分りやすい表示。
15分おきぐらいに電車はあり、あまり長く待たされることはなさそうです。


ふと横を見ると、何やら古ぼけた感じの機械があります。



領収書発行機みたいです。
ぺらぺらの切符を機械の指定の位置にあてるだけで、
領収書が出てきました。
このぺらぺら切符、なかなかやってくれますね。

出発時間3分ぐらい前になると、深セン行きの通路の柵が
自動的に開くので、そのまま道なりにホームまで。


ホームに到着。

隣のホームに電車が入ってきました。


なんと「和諧号」と書いてあるではないですか。
和諧号というのは、広州-深センを繋ぐ新幹線です。
(ついでに、広州-湖北省武漢も走ってます)

これが噂の(?)和諧号。
以前お客さん経由で和諧号の存在を知り
気になってはいたのですが、これが実物なんですねー。
車体の形は先頭が若干尖り気味で日本の新幹線に似てますね。

和諧号を眺めていると、深セン行きの電車がやってきました。
なんとなんと、こちらも和諧号です!


ちゃーん。 ホームに到着、和諧号。
いやー、まさか今日新幹線に乗れるとは。



興奮冷めやらず、意味はありませんが側面も撮影。
全国の電車ファンの皆さん、どうでしょう?



降車客を待ってから皆さん乗車。
ちゃんと整列乗車してます。



和諧号の中。
淡いベージュが基調となり、程良いライティング。
壁はウッディで落ち着きがありますね。
見るからに清潔です。



隅にはスーツケースを置けるスペースも確保されてます。



お手洗い。



飲料水機もあります。



各車両に出ている電光掲示板。
私が見た限りでは最高時速180キロでした。
気温は室外と室内が交互に表示され、
この日、外は35度、中は25度、
数字でダイレクトに表されるとより快適感が増します。



おお、車内販売のお姉さん、日本の新幹線みたい、
と思ったら、ゴミ回収をしていただけでした。
しかし、私が乗っていた短い時間に、このお姉さんが2回は往復、
他にもごみが落ちていないか掃除をしながら回るお姉さんが別にいて、
相当衛生に気を遣っているようでした。


程なくして電車は深センに到着。
本当にあっという間でした。
15分というのは驚きましたが、新幹線だったらそんなものなんですね。
乗り心地も抜群で、とても快適な電車の旅でした。
中国の電車の印象をすっかり塗り替えてくれたお客さんに感謝です。